この文書は、Serial ATA (SATA) Linux software status reportを著者のJeff Garzik([email protected])に許可を得て、五十嵐 正尚([email protected])が翻訳し、GentooJPで公開しているものです。翻訳版に関することは訳者に連絡してください。
日本語翻訳版 最終更新日 2005-05-17
この対応状況は、カーネル2.4.30と2.6.12-rcXに含まれる最新リリースのSATAドライバに対してのものです。
エラーの扱い方はとても単純なのですが、今のところそれが利点となっています。 エラーを扱うすべてのコードは、結果的にいろんな角度で厳しくテストされることになります。 libataのエラーの扱い方は、意図時に単純なものになっています。 良い面: 見直しや正当性の確認が楽。今までにデータが不正になったことはありません。悪い面: エラーが発生した場合、libataは、ブロックレイヤにそのエラーが送り返されるだけです。エラーの種類によってブロックレイヤから再実行回数が制限されていますが、バスがリセットされることはありません。
次のように言い換えることもできます。「さらなる問題によって、発生した問題を悪化させてしまうよりも、ディスクにアクセスすることを止める方が賢明です。」
シリアルATA関連の技術が成熟して、ホスト側のエラーかデバイス側のエラーかがはっきりするにつれて、エラーの扱い方は徐々に洗練されるでしょう。 私は、フォールトインジェクト、またはエラー処理コードの試験ができる特別なドライバ/ファームウェアを手に入れるために、少数の(親切な!)ディスクベンダと協力して作業することを計画しています。
エラー処理の改良は、デバイスのホットプラグのような機能を実装するためには、ほぼ確実に必要です。
キューイングサポートは、すぐにでもlibataで有効になるでしょう。しかし、そうするには、多くの様々なコントローラとドライブ上で長い期間テストすることが必要です。 これは集中した時間を必要とし、この作業で一番大きい要素です。
補足説明: ホストベースキューイングとネイティブコマンドキューイング
キューイングは、先行するコマンドの終了を待つことなく、一つのデバイスに複数のコマンドを発行する処理です。 これは性能を向上し、遅延を減らします。 ATAにはキューイングの種類が三つあります。
#1 は、細かいところすべてをハードウェアが操作する場合だけサポートされるでしょう。
#2 は、libataによってまもなくサポートされるでしょう。
#3 は、ドライブの製造メーカからハードウェアが入手できる場合、libataによってサポートされるでしょう。
libataは、...まだホットプラグをサポートしていません。
次のSATAコントローラは、今後ホットプラグをサポートしないでしょう。 Intel ICH5、Intel ICH5-R、Intel ICH6 (AHCI対応なし)、Pacific Digital Talon (ADMA)、Promise SATA SX4。
これらのコントローラは、ホットプラグをサポートするためのSATA物理層に関する十分な情報が公開されていません。 Intel ICH5/ICH6のように、一部にはコールドプラグ操作をサポートする可能性があります。 コールドプラグ操作とは、ユーザは単にSATAデバイスを外すよりも、外したいと思うSATAデバイスをOSドライバに知らせます。
いくつかのメーリングリストで議論されているように、積極的な電力管理はやりすぎる可能性があり、頻繁にヘッドを退避しすぎることもあります(ディスクドライブの寿命を縮めることになります)。 バランスをとるために慎重に注意を払う必要があります。
今のところLinuxでの積極的な電力管理に対する要求はあまりありません。 おそらく、ディスクのサスペンド/レジュームのみをサポートするでしょう(他の効果がATAパススルー機能を経由してもたらされるかもしれませんが)。
ディスクが激しく使用されている最中にSMARTコマンドを使用することは、タイムアウトやその他失敗の発生につながるという、報告も根強くあります。 この件に関しては、詳しく調査する必要があります。
libataには、バグのある/問題のある設計がされた過去のチップセットやデバイスを含む、完全なPATAのサポートが導入されてくるでしょう。 そうすれば、PATAは、SATAと同様に完全にサポートされるでしょう。 現在のところ、libataのPATAドライバは、Intel PIIXと少しのPromiseチップセット用にだけあります。
garzik's sata pagesに行く。 日本語翻訳版のLinuxでのシリアルATAトップページに行く。
Copyright 2004-2005 Dunvegan Media, Inc. All rights reserved.