Gentoo Linux フロッピーインストールガイド
このガイドでは、CD-ROMドライブが使えないマシンに、フロッピーディスクを使って
Gentoo Linux をインストールする方法を解説します。
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この文書ではArch Linuxのインストール用ブートディスクを利用してGentoo Linuxをインストールする方法を紹介します。
このディスクを使う理由は、特殊なフォーマットを使っていないためWindows環境でも容易にフロッピーに書き込めること、2.4系列のカーネルを使っていること、それとReiserFS、DevFSをサポートしていることです。
ただし、非常に残念なことに、Arch Linuxのブートディスクにはbzip2が含まれていません。
そのためすこし手順が増えますが、別途bzip2を入手することで対応します。
余談ですが、汎用的なブートディスクとして一番多く使われているのは、tomsrtbtでしょう。
Gentoo ForumsのFAQではtomsrtbtを使ったインストール方法が紹介されています。
また、Netbootや既存のLinuxマシンを利用したインストール方法も文書化されています。
用意するもの
Gentoo Linux インストールガイド…1式
フロッピーディスク…3枚
フロッピーイメージの取得
Important: この文書では例としてwww.ibiblio.orgからHTTPでファイルをダウンロードする場合を取り上げます。
なお、ダウンロードにはsnarfというツールを使っています。
このツールはHTTPだけでなくFTPにも対応していますし、プロクシも利用できます(HTTP_PROXY、FTP_PROXYに設定。大文字ですので注意してください)。
Gentoo Linuxの配布ファイルに関しては、ミラーサイト一覧を見て、なるべく近いところから適切なプロトコルでダウンロードすることをお薦めします。 |
以下のURLからブートディスクのイメージや必要なツールをダウンロードしてください。
イメージは3つ(Boot/Root/Modules)あります。
それぞれをフロッピーディスクに書き込んでください。
ブートディスクイメージ … http://www.ibiblio.org/pub/Linux/distributions/archlinux/images/
Windows用のイメージ書き込みツール … http://uranus.it.swin.edu.au/~jn/linux/rawwrite.htm
Note: 既にDOS版のrawrite.exeなどを持っているなら、そちらを利用しても構いません。 |
Windows版のRawWriteを使う場合は、"Floppy drive"でフロッピーを入れたドライブを選択し、"Image file"にダウンロードしたBootイメージを指定して、[Write]ボタンを押してください。
書き込みが終わったら、Root/Modulesをそれぞれ同じようにして書き込みます。
UNIXやLinuxなどを使っている場合は、次のようにしてフロッピーに書き込みます。
Code listing 2.1: ブートディスクの書き込み |
# dd if=boot.img of=/dev/fd0
# dd if=root.img of=/dev/fd0
# dd if=modules.img of=/dev/fd0
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3.インストール手順
ブート
PCの電源を入れ、Bootイメージを書き込んだディスクを入れてください。
すぐにブートプロンプト(Boot:)が出ますので、Enterキーを押してください。
カーネルが読み込まれ、さまざまなデバイスが認識された後、フロッピーを交換するように指示されます。
ここでRootイメージを書き込んだディスクに差し替え、Enterキーを押してください。
Rootディスクの中身が展開されると、プロンプトが表示されます。
Modulesイメージを書き込んだディスクを入れて、次のようにコマンドを入力してください。
Code listing 3.1: モジュールファイルのロード |
# loadmods /dev/floppy/0
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これでモジュールをロードする準備ができました。
Note: キーマップの変更はできませんので、日本語106/109キーボードなどを使っている場合は、キートップの刻印とは違うキーを押さなければならないことがあります。
たとえば、"|"(バー、パイプ記号)をタイプするにはSHIFT+"]"、":"(コロン)をタイプするにはSHIFT+";"(セミコロン)、"_"(下線)をタイプするにはSHIFT+"-"(マイナス記号)、などです。 |
モジュールのロード
インストールガイドの「カーネルモジュールのロード」(Load Kernel Modules)を参照してください。
ネットワーク環境
インストールガイドの「ネットワークの設定」(Configuring Networking)を参照してください。
ただし、PPPoE接続およびnet-setupスクリプトは利用できません。
bzip2のインストール
Gentoo Linuxは、提供されるファイルの圧縮にbzip2を利用しています。と
ころが、Arch Linuxのブートディスクにはbzip2が含まれていません。
このため、bzip2を別途入手する必要があります。
Code listing 3.2: bzip2のインストール |
# cd /tmp
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/archlinux/stable/
# grep bzip2 index.html
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/archlinux/stable/bzip2-1.0.2-3.pkg.tar.gz
# zcat bzip2-1.0.2-3.pkg.tar.gz | tar xvf - -C /
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パーティションの設定
インストールガイドの「パーティションの設定」(Partition Configuration)を参照してください。
cfdiskコマンドが利用可能です。
ここで注意しなければいけないのは、/dev/hda といった一般的に使われているデバイス名が利用できない、ということです。
以下に簡単に対応表を示しますので参考にして下さい。
一般的な名前 |
devfsでの名前 |
/dev/hda |
/dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/disc |
/dev/hda1 |
/dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part1 |
/dev/hdb3 |
/dev/ide/host0/bus0/target1/lun0/part3 |
Note: hda,hdbはtarget0,target1に対応します。
またディスク全体はdisc、パーティションはpart1などに対応します。 |
Code listing 3.3: cfdiskコマンド |
# cfdisk /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/disc
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Warning: いうまでもありませんが、記述を間違えると大変なことになりかねませんので、落ち着いて充分に確認を取りながら作業を進めてください。 |
パーティションのマウント
インストールガイドの「パーティションのマウント」(Mount Partitions)を参照してください。
デバイス名に注意してください。
Code listing 3.4: スワップをアクティブにする |
# swapon /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part2
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Code listing 3.5: マウントポイントの作成 |
# mkdir /mnt/gentoo
# mount /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part3 /mnt/gentoo
# mkdir /mnt/gentoo/boot
# mount /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part1 /mnt/gentoo/boot
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Warning: デバイス名の記述に注意してください。 |
stageファイルのダウンロード
必要なステージの圧縮ファイルをダウンロードします。
ひょっとしたら、URLが変わっているかもしれませんので、可能ならあらかじめ調べてメモを取ってください。
それがダメなら、directory indexを取得して見つけることもできるでしょう。
Code listing 3.6: 圧縮ファイルの名前を調べる |
# cd /tmp
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/1.4_rc2/x86/x86/stages/
# grep stage1 index.html
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/1.4_rc2/x86//stages/
# grep stage index.html
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それではファイルをダウンロードしてください。
Code listing 3.7: ステージファイルのダウンロード |
# cd /mnt/gentoo
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
gentoo/releases/1.4_rc2/x86/x86/stages/stage1-x86-1.4_rc2.tbz2
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
gentoo/releases/1.4_rc2/x86//stages/stage2--1.4_rc2.tbz2
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
gentoo/releases/1.4_rc2/x86//stages/stage3--1.4_rc2.tbz2
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圧縮ファイルの展開
ここで、圧縮ファイルを/mnt/gentooに展開します。
そのあと、chrootして新しい Gentoo Linux のインストール環境に入っていきます。
Important: tarする時は必ずpオプションを使用してください。
これを怠ると、いくつかのファイルに誤ったパーミッションを与えてしまいます。 |
Code listing 3.8: 圧縮ファイルの展開 |
# cd /mnt/gentoo
# bzip2 -dc stage?-*.tbz2 | tar -xvpf -
# mount -o bind /proc /mnt/gentoo/proc
# cp /etc/resolv.conf /mnt/gentoo/etc/resolv.conf
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Note: Arch Linuxのブートディスクに収められているコマンドの多くはBusyBoxによって提供されています。
しかし、このツールはbzip2形式を取り扱うことができません。
そのためLiveCDでのインストールとは異なり、上記のようにbzip2とtarをそれぞれ別に実行する必要があります。 |
Code listing 3.9: chroot 環境に入る |
# chroot /mnt/gentoo /bin/bash
# env-update
Regenerating /etc/ld.so.cache...
# source /etc/profile
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このコマンドを実行したあとは、インストールガイドに沿って進めることができます。
Gentoo Linuxのインストールをお楽しみください ;) |