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[gentoojp-docs 645] Re: GentooJP 翻訳ポ リシーというか翻訳者の責任範囲



小町です。日本語訳は Portage の man しかやっていませんが……(下に書く
意見は翻訳チームの意見ではなく自分の意見です)

At Tue, 18 Nov 2003 12:37:28 +0900 (JST),
takeda hiroyuki wrote:

> #1.原文をそのまま訳したのでは、意味が分かりにくい、
> あるいは、誤解を招きかねない場合、適宜言葉を補ったり、削除しても良いか?

いいんじゃないかと思います。(訳注: ほげほげ) みたいな形で挿入したほう
が、訳者が補足を加えたことがより分かって適切だと思いますが、あからさま
に超訳してないかぎりは断りはなくてよいと思います。

> 例えば、openMosix and diskless nodeのl.495に
> <p> There is only one configuration file you will have to edit
> before starting the DHCP server.  This file should be stored in
> <path>/etc/dhcp</path> and called <path>dhcpd.conf</path>.  Copy and
> edit the provided sample file by typing: </p>
> という文があるのですが、最後のprovided sample fileのprovidedは、
> "Gentooが提供している"設定ファイルという意味です。

> 英語だと何気なく書かれているんですが、忠実に翻訳して、
> "提供されているサンプルファイル"としたのでは、
> この突然出てきた"提供されている"という言葉に対して違和感がないですか?

a/the の違いは日本語にはないので難しいところですが、繰り返すことによっ
て the の指し示すものがなにか明確になるのであれば繰り返したほうがよい
でしょう。なにも小説を訳しているわけではなく、技術文書なので、意図が明
確になったほうがよいです(これは3番目の論点とも絡みますが)。

> #2.原文に明らかに誤りがある、あるいは間違いではないが、
>    技術的には不適切と思われる記述がある場合はどうするか?

訳文で (訳注: これはふがふがの間違いだと思われます)のように補足を入れ
るのが穏当でしょうか。bugs に登録して本家の人に直してもらうのが筋です
が、本家との調整役の人は直接直せるんでしたっけ? 

> #3.翻訳者は、原文の内容に関して、どこまで確認するのか?
>   また、どこまで技術的に精通する必要があるか?
> これは、#2.とも関連しているのですが、
> 多くのドキュメントの場合、その分野の初心者にも分かりやすいように
> コマンドの実行手順や、実行結果が載せられていると思います。
> 翻訳者は、実際にそのすべてを実行してみて、
> 期待した結果が得られるのかどうか確認すべきでしょうか?
> いや、本来はそうすべきでしょうが、
> これを翻訳という作業の範囲に含め、強制するとなると、
> 翻訳者の負担が一気に増大する気がしますし、
> モノによっては環境をそろえられない等の理由から、
> 2週間とい短期間では、検証を終えられないという結果になりかねません。

うーん、動作確認ができないなら訳さないほうがいいと思うのですが、いかが
でしょう。いや、訳してもいいのですが、訳した人は自分では動作確認をして
いないことを明記し、査読する人が動作確認して間違っていないかチェックす
る、といったように、訳した人か査読した人かのいずれかが最低限チェックし
なければ、訳してそれが公式なものであるとするには問題があると思います。

査読がいま追いつかない現状を考えると、翻訳の段階である程度のチェックが
済んでいなければ査読者の負担が増大し、翻訳をリリースできないばかりか翻
訳の質まで危うくなりかねないので、いずれかの段階で「実際に全てを実行し
て期待した結果が得られる」ということは確認する必要があるでしょう。査読
の手に比べると翻訳の手のほうが多いことを考慮に入れると、現段階ではチェッ
クは翻訳者の側で済ませておく、というふうに決めておいたほうがよいのでは
ないでしょうか(査読者は内容のチェックもするが基本的には日本語としてど
うかというレベルのチェックをする?)。

翻訳者も査読者も実際に動くかどうか調べず、読んだ一般ユーザに検証を委ね
るというのはさすがにあんまりじゃないかということです。

-- 
Mamoru KOMACHI <usata@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
http://www.sodan.ecc.u-tokyo.ac.jp/~usata/